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満月の子発覚辺りの話。
ユーリ特殊能力があったんだよ~な話。
ラピードの存在をすっかり…(汗)いました!いました!…急いで出てもらいました(苦笑)
つづきよりどうぞw
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『サクリファイス』 ④
こんなときでないと堪能できないユーリの寝顔を眺めてぼんやりとしていると、控えめにノックをする音がして応じるとカロルが顔を覗かせた。
「レイブーン、あのさぁ…、あれ?」
「少~年!いいところに」
「え、あれ!?もしかしてユーリもダウンしちゃったの?」
「まぁねぇ。でもって熱も出しちゃってるからさぁ、氷水とタオルお願いできるかしら。えへへ、青年が離してくれないの」
握られている服を見せながらどこか嬉しそうに言うレイブンにため息をつきながらちょっと待ってて、と言い残し足早に氷水を準備して持ってきた。
レイブンが座るベッドサイド近くのテーブルに置いて、氷水で冷やしたタオルを絞る。
いつも頼りにしてる分、あまりぐったりしているユーリの姿なんて見たことがなかったから心配げにタオルを額に置いた。
「ユーリ、苦しそう…」
「手持ちの解熱薬がないから朝一で医者呼んだほうがいいわね。なんだってこんなになるまで黙っていたんだか…そういえば嬢ちゃんは?」
「寝てるよ。今はリタが診てる。ジュディスもだしエステルもだから怒りながらだけど…」
つつつと下がった視線の先にはレイブンの服の裾をつかむユーリの手。
にんまりと笑ってるレイブンの顔を見てカロルは思わず一歩引いた。
「レイブン…なんか顔、気持ち悪い…」
「だぁってぇ、青年が離してくれなくって~」
「へー…」
「いやん、少年の視線が冷たい!寝込みを襲おうなんてこれっぽっちも…いやいや健全に看病しようとしてただけですよぉ」
「ふ~ん…僕が代わってあげてもいいけど」
「だいじょーぶ!看病は大の得意だから!」
「…はいはい」
「おっさんを信用してちょーだい」
「ま、ラピードもいるし。むこうは2人寝込んで大変だと思うから、僕リタの手伝いしてくる。おやすみなさい」
はーい、おやすみぃ、と返事をすると、カロルは足音を立ないように気遣ってとことこ去っていった。
再び静寂が降りた部屋の中、ユーリの浅い息遣いだけが響く。温くなってしまったタオルを絞り直して再び額にのせる。
気づけばベッドの傍までラピードが寄ってきて、クゥンと心配そうに鼻を鳴らす。
「青年なら大丈夫よ」
「わふぅ」
その青い毛を優しく撫でて優しく笑った。そして静かに夜は更けていった。
⑤へ続く。。。
(2010.11.22訂正)
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