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ED後、ユーリはそのままギルド所属で1年後の話。
他のサイトさんでは数年後のユーリは髪を切ってるのを見かけますが、逆はあんまりないかと。伸ばさなさそうだしね。でも!
私は黒髪ロンゲは大好物ですw某中隊長しかり。(三千〇界。。。ゴニョ)
なので伸ばしてもらってレイブンに突っ込んでもらいましたv
では、つづきよりどうぞ!
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『その、理由』
「せ~ねん。それ、なんか理由あんの?」
「は?」
「その髪。伸ばしてるでしょ、明らかに」
思わずパフェを食べていた手が止まる。
フォークをくわえたまま、目の前の胡散臭い(今に始まったことではないが)おっさんを見返した。
テーブルにはいつもの面々はおらず、ユーリとレイブンの二人だけだった。
夕方までにギルドの仕事が片付き解散したのだがいろいろ後片付けをしていたらいい時間になってしまったのだ。なので流れに流れて夜食がてらに店に入っていた。
確かにテーブルの向いに座るユーリの髪は長い。元々、肩下ほどあった髪の毛は腰の辺りまで覆うほどの長さに伸びていて、かの英雄(またの名をラスボスさん)に追い付きそうな勢いだ。
当初は切るのがめんどくさくて、と聞いていたが、どう考えても今の長さをキープしている方が切るより面倒くさい気がする。
ただ正直切ってしまったらそれはそれでもったいないと思ってしまうのも事実。
女子ほど手入れはしている気配はないのに鴉の濡羽のような艶のあるしなやかな髪。見た目通りに手触りがいいのだ。
本人がそれを意識して伸ばしてるとは到底思えない。なら、だれがそうさせているのか。
一方通行だが好意を寄せているレイブンには大変興味があるところだった。
「ん?フレンがさ」
(あぁ、やっぱ彼…)
未だに幼馴染みのポジションは大きいようだった。
思わず出かけるため息を隠そうと、ぐびっと手元のグラスを飲んだが、話は思わぬほうへ転がった。
「前からなんだけど切れってうるさいんだよな。切った方が騎士の制服に似合うとかなんていうし。今さら何言ってんだってかんじでさ」
(あらら。団長さんの本音はどっちにあるのかしらね)
「エステルはなんか切るのはもったいないとかいうし。切ったらもう甘いものくれないって。城のパティシエが作るケーキのお裾分けなくなるの痛いしさぁ。結構気に入ってるんだよな~」
(あらあら甘いものに釣られて)
「リタはリタで切ったらその他群衆と見分けつかなくなるから切るな、とか変なこと言うし。髪で見分けられてるのか、俺って」
(リタっち、必死!必死すぎる言い訳だわっ)
「カロルはいつの時代もヒーローはロング。これからは男もロングがかっこいいからとかなんとか。この場合、ヒーローってのはデュークのことか?」
(合ってるような違うような…。もしかしてこれは皆で結託して…)
「極めつけにジュディがさぁ」
「え、なになに?」
「ギルドはみんなはひとり、ひとりはみんなのために、だからユーリの髪の毛は皆の合意なくして切れないのよ、じゃないと掟違反だって言うんだぜ。勘弁してくれって」
「ぶはははははっ」
「笑い事じゃねーよ。なんで人の髪に皆の合意が必要なんだ。こんなことになるならさっさと切ろうと思ったんだけどさ」
「けど、青年は切ってない、ってわけね」
「ま、切ったらリタやジュディあたりから身の危険を感じるしな~なんだって人様の髪の毛に必死になるんだか…」
「それだけユーリの髪がきれいだってこと。青年だってなんだかんだ言って皆のこと大好きだからね~」
「べ、別に…」
「じゃあ、おっさんも。ユーリのこと髪の先まで愛してるから切らないでいてね」
紳士にまっすぐ熱い視線を送る。心の底から本気の告白だ。いつも戦闘の回復の度にで言ってる言葉だからか、ちょっと胡散臭さは拭えないが。
パフェのアイスを再び口に運んでいたユーリは目を半眼にして、ふっとため息でもつくようにそっぽを向いた。
「……切ろっかな」
「ちょっ!なんでよ~髪まで愛してるのに」
「…これ以上うだうだ言うなら切るからな」
「うそうそ、ごめん。でも切らないでね」」
「…なんだってこんな…」
パフェのそこにあった白玉をフォークに刺してぶらぶら弄びながら口に運ぶ。不機嫌になりつつあるユーリにもう何か言うよりも、ストレートに伝わる方がいいだろう。
横を向いたままのユーリの髪を一房すくって口付けをする。それは言葉よりも雄弁に愛しさを伝えていて。
驚いて固まったその瞬間黒髪から覗く耳が少し赤く。機嫌も少し良くなっただろうか。
皆も私もあなたの髪が好きだから、どうかそのままで。
end
2010/09/13 TOV RY話 Trackback() Comment(0)
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