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エステル満月の子発覚辺り。
ユーリ特殊設定。
ちなみにユーリ←エステルです。
ユーリからの矢印は誰に向いているかは話が進む中で明らかになります…。
つづきよりどうぞ。
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『サクリファイス』②
「私、怖くて。この頃夢を見るんです。この力でみたいに皆を傷つけてしまうこともあるんじゃないかって。満月の子の力なければよかったのに」
胸に引っ掛かっていたものを吐き出すような独白だった。
最後に絞り出すように出てきたのは儚い願い。
再びその身を震わせるエステルを見守りながら、ユーリは遥か彼方から輝く星が煌めく空を見上げた。
思い付いていたことがあった。
エステルがあの星のように輝く笑顔を取り戻す術があることを。
「…なかったらか。なかったら旅もまた違ったものになってたんじゃないか?その力があったから皆のどんな怪我を治してきて来れたんだろう?現に俺はだいぶ助けられたけど」
「でも、怖いんです、ユーリ、この力が怖い。私、まだ皆とも旅がしたい。フェローの言う『死』が怖い」
ユーリもまた考えていた。
フェローとの邂逅で咄嗟とはいえ出てしまった言葉。
『…死んだっていい』
あれは本心だろう。本心だからこそすぐに怒ったのだが、そう思わざる得ない心境だったことはいうまでも無い。あの小さな肩にどれだけの重荷を背負っているのかと思うと、居た堪れない。
守ってあげたい、その思いがある考えを胸の奥から顔を覗かせる。
無理して笑う顔。それでも我慢できずこうして泣く涙。
俺にできることは…。
もう使わない、とフレンと約束をしていた。烈火の如く怒りそうだか。
怒りながらも心配するフレンの姿が想像できて少し笑えた。
「…わかった」
「ユーリ?」
ユーリの言葉に何かを感じたのだろう。
伏せていた顔を上げ、疑問を投げかけるもののそれよりも先にエステルの両目を覆うようにユーリの手が重なる。
「辛いなら俺が代わりに背負ってやる。だから…」
「ユーリ…何を」
当てられた手が温かいと感じた瞬間、体から何かが抜けていく不思議な感覚が襲った。
だがそれがどういうことなのか、意味がわかるのはもう少し先のことで。
同時にフェードアウトしていく意識の中でユーリの言葉が最後に聞こえた気がした。
③に続く。。。
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