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今週のアップ。
先週は個人的に大きな悩み事が浮上して混乱しました。現在進行形なんですけど。
悩んでたせいか、小話のユーリも悩んでしまったような?
長編を楽しく書いていたはずなのに…。
明日、長編アップできるかしら~?できたら上げます。。。
その前に明日は海猿みてくるよー!
以下、小話について。
悪夢に魘されるユーリの小話。
月を見て思いついた話です。(他でも見かけますが)
いくら強くても傷つかないわけないと思うんです。トラウマになるまでいかなくても。
こっそりとひとり苦しむユーリの慰め役にはラピードにがんばってもらいました!!
やっぱ側で見ていて良き理解者だと思うんだよね。利口だよ、わんこ!
少々グロテスク?血や殺傷表現がありますので、苦手な方は自己判断で読まないでくださいね。
まぁ魘される悪夢、ですので。ユーリの闇(病み)の部分に触れます。
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ふと視線を落とすと、真っ赤な血に染まった手が映った。
あぁ…これは、…の血だ。
wound of mind
顔を上げると真正面に立つ人姿。その顔はかつてユーリが自らが命の奪った者、キュモールでありラゴウでもあった。そしてドン・ホワイトホースに変わり、いつも最後、彼に変わる。
らしくなくぼさぼさ頭ではなく、らしくない隊服を着ていた。見つめ返す瞳は同じクロムグリーンなのに、その奥は冴え冴えしていて、いつもののほほんとパーティにいて気の抜けた言動や行動をする彼とは似ても似つかない。けれど、哀しく暗い表情をしながらも彼の口元は微笑む。見慣れたいつものように。
その手が押さえている胸の中央には赤黒いしわがじわじわと広がっていく。足元に広がった血溜まりの中には自らの愛刀が落ちていた。そして口元から吐き出される血とともに口が言の葉を紡ぐ。ユーリ、と。
「…っ!」
勢いよく跳ね起きる。きしむベッドとぜいぜいと耳障りな音を出す自分の息遣いにあれは夢だったのかと自覚させる。それでも心臓は馬鹿になったようにうるさい鼓動を打つ。荒い息のまま、片足を引き寄せ、腕に抱えるようにしてそのまま体を丸める。膝に額をのせ、意識してゆっくりと呼吸した。突然の覚醒を強いられた瞳は半ば閉じ、薄ぼんやりとする。
夢の中で見た赤が消えない。
現実、そこには白いシーツと掛け毛布、己の黒い服しか目に入らないはずなのに、夢の残像がちらついて離れない。それはまるで、科せられた罰だとでもいうかのように。
「クゥン」
ベッドの横で丸くなっていたラピードが心配するように鼻を寄せてきた。膝を抱える形で強張っていた体はすっかり冷えてしまったようでラピードに触れるとほっこりとしたぬくもりを感じた。隻眼の瞳はただまっすぐユーリを見つめていた。
すべて、自分で決めたんだ。
すべて、自分で選んだんだ。
貫くことも背負うことも。
罪の意識がないわけじゃない。仲間がいない夜にだけ心の奥底にしまっている弱い自分が悪夢によって浮上し悲鳴を上げるのだ。犯した罪の重さに押し潰されそうになりながら、思う。
--また、誰かを手にかけてしまうかもしれない。
いつの間にかベッドサイドに足を掛け、冷たくなったユーリの頬をラピードは舐めていた。目の前にある青い痩躯に手を伸ばす。汚れた手で触れて汚してはいけない気が咎めたが、ぬくもりを求めずにはいられず、そっと抱きしめた。
「…ラピード…起こして、ごめんな」
されるがままのラピードは、大した事じゃないとでも言うように鼻をピスピス鳴らし、ユーリの肩に頭を乗せた。
朝が来たらいつもの自分に戻らなければいけない。仲間の頼れる”ユーリ・ローウェル”に。けれど、今は…。
「悪ぃ…もうちょっとだけ…」
「ワフ」
ラピードの力強い鼓動と温かい体温にその身を委ね瞳を閉じた。悪夢が去り、弱き己が再び奥底に沈むまで。
夜の帳が明けきらない頃。
人語を解さないが良き理解者であり頼れる相棒だけがただ静かに寄り添っていた。
end
(BGM♪♪♪若さ故エンテレケイア)
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