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2024/11/24

暁星寓話【ⅰ】

昨日、小説の案内ページを作成しましたが、
ようやく長編②のお見みえです。

書き溜めてるものの、まだうまくキャラが動いてくれませぬ;
そのうち簡単なキャラ設定でもあげます。
多分そのほうが読みやすそうだしね。

まだほんの序章。
ユーリも出てきませんが、ユーリ皇族設定でもOK!派生どころかパロディでもOK!という心広い方はつづきへお進みください^^

TOV本編の前設定だから、皆若いはず。年齢設定まで細かくは考えてないけど、劇場版よりちょい後?
でも劇場版のユーリ関係は消去なご都合です;だって皇族だもん。。。(深くはつっこまないでね~~;;)

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王宮から少し離れた離宮。あまり人が寄り付かない、そこにあることさえ忘れられそうなほど寂れた場所にあるそこには一人の魔女がいるという。
ある噂では見た目の美しさに騙されてしまうほど恐ろしい魔女が数十年と生き続けている。一度視線を合わせ耳元で囁かれれば、落ちない男はいないと言われるほどの悪女が貴族たちを堕落させないようにあえて目が届く王宮側の塔に閉じ込めてしまったという。
それは嘘か真実か。

ただ、一つ。噂を掻き立てる真実はそこにある。黒髪の少女が隠されるようにそこにいるということ。



暁星寓話  ⅰ:とある任務の受諾



「極秘任務を言い渡す」


騎士の憧憬の対象でもある騎士団長を目の前にフレンはやや緊張をしていた。
一兵卒である自分に少なくとも目を掛けてもらっていたことに興奮しつつ、しかも”極秘”任務を任されることになるなんて、夢にも思っていなかった。


「はい」
「君は三人目の皇位継承者のことは知っているだろうか?」
「は…?三人目の、ですか?」


突然の問いに思わず戸惑う。現在皇位継承権を持つ、その二人を担ぎ上げどちらを王座につけるかで評議会と騎士団が双方を擁護し争っているのは騎士団に所属している以上知らぬ情報ではなかった。
その二人以外にもう一人…?頭の隅のどこかに引っかかる。どこかで聞いた噂。本当かどうか真偽すら気にもしなかったそれが。


「知らないのも仕方ないことなのだ。特に公からは秘密裏にされてきたからな。まぁある意味幽閉されているようなものなのだが…聞いたことはないか?離れに住む者の噂」
「…離れ?離宮に住む魔女の噂でしょうか」
「魔女かはさて置き、それがあくまで噂に過ぎないと思ったか?フレン・シーフォ。君にはこれからある方に会ってもらう。護衛兼監視役として」


ちょうどタイミングよくドアをノックする音がする。


「入りたまえ」


視線を後ろに流すとドアからオレンジ色の隊服を着た人物が入ってくるのが見えた。それがあまり騎士団でも見ることが稀な騎士団隊長首席だと気づき、フレンは咄嗟に礼をする。それを目にしたシュヴァーンは軽く頷き、フレンの横までそのまま進みアレクセイのデスクの前に揃って並んだ。


「閣下、シュヴァーン・オルトレイン只今戻りました」
「ご苦労。それにちょうどいいところに戻ってきてくれた」
「それで報告なのですが、」
「それは後ほど聞こう。実は今彼にあのことを話していたところなのだ」


シュヴァーンは挨拶と共に団長に敬礼をし、報告に口を開きかけたところでぎくりと止まった。報告を仕掛けた口が次の言葉を形作ることなく止まる。そして、誰が見てもわかるくらいはっきりと顔を歪めた。
それを見ていたアレクセイは、机に肘をついたまま大きなため息をこぼした。


「話していただろう」
「あの、話のことですが…。まだ私は了承していないのですが」
「了承も何も仕方ないだろう。君には動いてもらわなければいけない案件もある。主席だしな。だから今までのようにはいかない。そう話しただろう」
「ですが…」
「シュヴァーン。これはもう決定事項だ。今後はお前とシーフォの二人体制にて事を運んでもらう」
「…」


思わぬ険悪な気配にフレンは戦々恐々とする。見れば互いに眉間に深いしわが刻まれたままにらみ合っているのだ。それほど難しい案件に関わっていることにフレンは場違いな気持ちを味わうほどだ。


「この後シーフォに引継ぎと案内を。報告はその後に聞く」
「…了解いたしました」


二人のやりとりに口を挟めずに成り行きを見守っていたフレンはそこでようやく口を開くことができた。


「あの、アレクセイ閣下」
「シーフォ。任務について詳しくは前任のシュヴァーンから話す。だからこの後は彼の指示に従ってくれ」
「いえ、そうではなくて。差し出がましいようですが」
「なんだ?」
「なぜその任務に私なのかと」


言った後視線を上げるとアレクセイとシュヴァーンに凝視されていた。まずいことでも言っただろうかと後悔した先で、大きなため息が横から聞こえた。つと視線を横に向けたが、髪に隠れてシュヴァーンの表情は見えなかった。


「シーフォ。それは君が信頼に値する人物だと私が判断した、ということだがそれでは不満か」
「いえ…恐縮です」
「では、最善を尽くしてくれ。私からは以上だ」


話は終わったと言わんばかりにシュヴァーンを目配せをした。シュヴァーンはシュヴァーンで押し付けられた体だが従わないわけにもいかない立場なので、いまだ腑に落ちない風のフレンを連れて団長閣下の部屋を後にした。



…続。

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2010/10/26 TOV 長編②

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